デンタルインプラントに思う

デンタルインプラントに思う

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    工学的アプローチの限界

    工学的アプローチである程度まで解決の糸口をみたデンタルインプラント治療が、生体の拒絶反応に阻まれる。この歴史的経過は冒頭に述べた「歯」そのものの印象と本来的な性格から十分に予測可能な事態に思えます。起こるべくして起きた事態に思えます。

    歯という組織の歯冠部においては工学的アプローチが十分に通用しているように見えます。削ったり埋めたり磨いたり、フッ素などの塗布も実に工学的です。しかし、対象が歯根部・歯槽骨と「根元」のほうに向かえば向かうほど、工学的アプローチが通用しない領域になっていくように感じます。

    間違いを承知でイメージだけのお話をすれば、歯は生体から生じた鉱物としてそこに残存しており、鉱物部分には工学的なアプローチが通用して、それを生み出した生体には通用しないといったようなそんな印象すら感じます。ちょうど生体から生まれた真珠が鉱物とともにショーケースに並んでいる現象と同じ核を有するイメージに思えます。

    やや脱線しました。デンタルインプラント治療は20世紀半ばにきて、工学的アプローチだけでは乗り越えられない壁があることを自覚したといえるでしょう。