
人体の拒絶反応を押さえることは不可能ではないにしても健康なことではありません。拒絶反応が生ずる治療であるならば、拒絶反応が起きない方式を模索するよりありません。
デンタルインプラントの領域においては、その模索は「素材の追求」という形として顕れます。
途中の試行錯誤段階の話はとばしましょう。現時点の到達点は「チタン」です。この最高の素材を得て、急速にデンタルインプラントの実用化が進みます。
チタン採用のそもそもの根拠はわかりませんが、結果としてこのチタンは現段階のインプラント治療においては素晴らしい金属でした。強くて加工が容易で腐食に強く、アレルギーを引き起こさない、生体埋没にはもって来いの基本性質に加え、骨との親和性が異様に高いという大きなオマケまでついていたのです。
この大きなオマケ(オッセオインテグレーション)は、また新たな問題を生み出しているよにも見えます。工学的アプローチだけでは乗り越えられない壁を、恐らく生化学的アプローチにより崩していく流れが本流であるかに見えたところが、このチタンという過度に生体埋入に適した素材を得て、一気に工学的アプローチだけの世界に後戻りしたかのように思えてならないのです。